● 福岡大学病院薬剤部 ● 福岡大学筑紫病院薬剤部 マークの付いている研究室は、「受験生のためのライブラリー“FUKUTANA”」で研究や担当講義の内容を動画として公開中。 人の健康維持や疾患治療に関わる際、薬剤師は「薬」を基点に専門性を発揮して、個人個人にマッチした健康法や薬物治療をマネジメント(管理)する必要があります。私たちの研究室では、個人差が生じるメカニズムを薬物動態学や薬力学を駆使して追求し、健康・医療の個別化に貢献したいと考えています。現在は、動脈硬化、中枢性疾患、肺疾患での、性差の有無、薬物動態の変化および医薬品有害作用との関連などについて研究を進めています。 中央機器室では薬学部での研究には欠かすことのできない実験装置を共通機器として取り扱っています。各研究室の実験で得られた新しい薬物の構造や組成を調べたり、また、その薬物の未知の作用を知るために必要な情報などを提供しています。カリキュラム内の薬学研究においては、教職員とともに学生自身も中央機器室内の高性能な機器類を利用することができます。 薬剤師の重要な職能の一つとして、患者さんや医師・看護師への適切な医薬品情報の提供により、医薬品の効果を最大限に発揮させ、副作用を発現させないことがあります。そのためには、医薬品の情報をどのように構築し提供するかが重要になります。本研究室では、最新の医薬品による副作用報告情報を解析して情報公開を行っています。さらに、医薬品や疾患により生じる神経系の機能的変化の機序を明らかにし、新規治療薬開発につながる新たな情報を生み出すための基礎研究も行っています。 高齢化社会を迎えている日本は平均寿命が約80歳に達し、日常生活に支援や介護が必要となる方が増加しています。わたしたちは、中高年者の足・腰といった運動器の機能や高齢者の認知機能のなかでも特に軽度認知障害(MCI)に着目し、地域の薬局においてこれらの徴候を早期に発見し、医療に繋げるトリアージに関する基盤的研究をしています。また、薬局・病院実務実習の調整や指導も行っています。 福岡大学には附属病院が併設され、病院では多くの薬剤師が仕事をしています。私たちは病院薬剤部と協同して臨床現場から発生する課題について薬学的研究を行っています。ところで、薬は多くの病気を治療する一方で、本来の目的ではない有害な副作用を持っています。私たちは、副作用の発現情報を早く収集し、その原因を探り、同じ副作用で苦しむ患者が減るように副作用の発現を防止するシステムを構築したいと考えています。また、医師が書く処方箋や、患者への薬の説明、他の医療職種とのチーム医療により得られる「情報」を有効活用し、薬の適正な使い方を探る研究をしています。FUKUTANATOP 皆さんが普段目にしている「薬」は有効成分だけではできていません。添加剤を加え、溶解性、吸収性、安定性、味や臭いなどのさまざまな性質を改善することで、薬理作用を効果的に発揮し、副作用を軽減し、服薬アドヒアランスを向上させる工夫がされた「製剤」が使用されています。創剤学研究室では、新しい製剤を創造する研究を行っています。FUKUTANA薬学部薬物送達学研究室救急・災害医療薬学研究室腫瘍・感染症薬学研究室実務実習支援室薬草園受験生のためのライブラリーFUKUTANA 安心で安全な薬物治療を行うためには副作用を未然に防ぐことが必要です。本研究室では、副作用が起こりやすい病態を明らかにし、その「発現しやすさ」を予測できる個体情報を見つける目的で基礎研究を行っています。特に、脳に関連した病気と副作用や薬物の脳移行性などに関する医療薬剤学的な研究に取り組んでいます。これらの研究成果は、副作用の予防や回避に役立ちます。 薬物を①必要な部位に、②必要な量を、③必要な時間だけ送り届けることができれば、薬物による治療効果を最大限に発揮でき、薬の副作用を最小化することができます。このように薬物による治療効果を最適化するための「工夫(手法)」がDDS(Drug Delivery System, 薬物送達システム)です。薬物送達学研究室では、臓器、細胞およびオルガネラへのターゲティング(標的指向化)や薬物およびプロドラッグ(化学構造を変換した薬物)のDDS技術を用いて新しい薬の開発を行っています。 救急・集中治療を要する重篤病態の患者さんのケアにおいて適切に医薬品を使用することは、その予後に大きく関わります。また、大規模災害にて全ての被災者に医薬品を届けたり、避難所の環境衛生を整えたりするためには、薬事の専門家が現場に必要です。私たちは、救急医療や災害医療の現場で、抗生物質の適正使用、災害時医薬品概況報告システムに関する研究を行っています。 がんは、あらゆる疾患の中でも最も死亡率が高く、長年日本人の死因第1位を占めています。また新型コロナウイルス感染症の猛威により、あらためてメディカルスタッフの感染制御に関する高度な知識や技術、実践能力の必要性が認識されています。私たちは、医療現場における薬剤師のがん患者マネジメント、また抗がん薬および抗菌薬、薬物有害事象に対して使用される支持療法薬の適正使用に関する研究を行っています。 薬学部実務実習支援室は、実務実習受け入れ施設との連絡や手続きなどを行う薬学部の窓口です。充実した薬局・病院実習を円滑に行うことができるよう、担当教員が関連諸事につき学生の相談に乗っています。 薬用植物園(薬草園)は文字通り薬草を中心に栽培した植物園ですが、実際はおなじみの植物、例えば、シャクヤクやアンズも薬草の一つなので、普通の植物園と見かけは変わらないかもしれません。でも、注意深く植物の名札を見ると、薬用部位や効能が書いてあります。予約すれば見学も可能であり、一般の方々に最もなじみやすい大学の施設だと思います。薬学疾患管理学研究室医薬品情報学研究室地域医療薬学研究室病院薬学研究室中央機器室創剤学研究室11附属施設››薬剤学系応用薬剤学研究室臨床薬学系
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