2TOPIC1TOPIC経済学はお金の流れについて学ぶだけの学問ではありません。理論、実証、歴史、思想などさまざまな視点から人々が暮らす社会(の仕組み)を理解する、それが経済学です。経済学を選択するメリット スーパーの総菜コーナーでポテトサラダを手にしていた幼児連れの女性に、「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言った高齢男性を目撃したというSNSへの投稿。もし皆さんがこの現場に居合わせたら、何を感じ、何を考えるでしょうか。この問題は「自由」と「効率」のどちらも重視しながら社会のみんなの意見を一つにまとめることの難しさを明らかにした「自由主義のパラドックス」を学ぶと、その理解が深まります。 我々の社会(の仕組み)を理解することは、皆さんの卒業後の進路がどんなものでも必ず役立ちます。ですから、将来の目的がまだはっきりしていない人にも、経済学はお勧めです。また、計算、データ処理、資料の解釈などさまざまな方法が用いられますので、皆さん一人一人が自分の得意なことを生かせます。 2人の子どもが仲良く分けるように渡されたおやつの奪い合いからけんかに発展。その結果、おやつを没収される。大人も同じで、みんなが得できる共同プロジェクトがまとまらず、結果としてみんなが損をする。こういった失敗の原因は必ずしも感情的なものとは限りません。人間の行動への理解を深め、「分ける人と選ぶ人を別にする」といったように仕組みを工夫することによって、失敗を避けることができます。17世の中(社会)を理解しよう。身近な出来事を 経済学の視点で見るとどうなる?SNSでバズった「ポテサラ問題」と自由主義のパラドックスみんなで奪い合いだけど、仲良く分けないともらえない近郷 匠 教授暮らしの中にある経済学Column by
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