理学部_学部ガイド2025
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 研究対象の異なる7つの研究グループで構成されています。 学生のみなさんは3年次の後期から希望に応じて各グループに分かれ、それぞれの研究テーマについて実験を行い、4年次の終わりに研究成果をまとめて発表します。それぞれのグループではどのようなことを研究しているのか、少しのぞいてみましょう。 あらゆる便利なモノは、全て物質の特徴をうまく生かして作られています。私たちは、そのような物質の性質が何故生じるのかを、分子の構造や配列などといった分子の視点から原因を解明し、その特徴を応用することを研究目的としています。研究対象は身近な水から、自分で設計した新物質まで様々です。 このグループでは、生命の不思議を化学の力で解明していきます。例えば、DNAはどのように維持されるのか、RNAはどのように機能するのか、そしてタンパク質はどのように生命を作るのかなど、生命を形作る分子の構造や働きを調べる研究を行っています。また、研究で得られた知見を活かして、医学や薬学の発展につながる研究も行っています。RNA編集を行う酵素とRNAの複合体構造(PDB code:5ED1) このグループには、中学校や高等学校の理科(化学)教員あるいは科学の啓発活動に関心ある学生が多く所属しています。生徒の理解が進むような実験教材を開発したり、科学を好きになってもらえるような授業づくりの研究をしています。「なぜ、このような変化が起きるのか」を自分の言葉でいきいきと語れるような人材を育てています。これは私たちが作ったモノで、電気刺激で分子の形が変化します。この特徴を応用すると、将来iPodにCD10000枚分の音楽を入れられるかも。RNA編集は、体の中で遺伝情報を一時的に変える不思議なプロセスです。私たちは、このRNA編集を化学の視点から研究し、これまでにない新しい薬の開発にも取り組んでいます。小学校の出前授業などにも積極的に参加しています。研究室で作られたルテニウム錯体の立体図周期表の一部です 分子の集合体である物質は、それを構成する分子の種類や分子の集合のしかたによってさまざまな機能を発現します。私たちのグループでは、このような機能がなぜ起こるのかを、分子1個の性質や、分子が集合体を作った場合の性質などをレーザー光や精密な熱分析など物理的な手法で調べることにより研究しています。 生命体の営みに習って様々な有機化合物を設計・開発し、それらの性質と機能を明らかにする、有機化学・生体分子化学の研究室です。タンパク質と結びつく新たな蛍光性分子や、薬剤を分子認識して取り込んだり放出したりできる分子の研究を行っています。さらに新しい触媒分子を設計して、それを使った化学反応を発見して詳しく調べる研究もしています。 周期表を見ると数多くの元素が並んでいます。生物や身の回りの物質の多くは、炭素、水素、酸素、リンなどの元素から構成されています。しかし、周期表にはまだまだ多くの元素が存在しており、それらの活用法や特性はまだ明らかになっていません。そこで、未開拓の元素を活用した合成や構造・性質の解明を研究しています。身の回りにあるプラスチックやゲルは多くの分子がつながった構造体で、周囲の液体環境により自在に形を変える特徴があります。分子レベルでの情報を引き出し、その性質を解明します。私たちが見つけた発光目印化合物の構造とそれを細胞に入れた際の蛍光画像です。ミトコンドリアにくっついて活性酸素の在り処を教えてくれています。 無機物(金属イオン)と有機物(配位子)のハイブリッド分子である「金属錯体」の合成を基軸に、磁性、伝導性、熱物性、光物性、誘電性などが複雑にからみ合う、これまでの常識を打ち破る新奇物性や機能性を持つ革新的な分子固体(結晶)の開拓を進め、次世代の社会基盤を支える機能性分子材料の創製や省エネルギー化につながるような研究に挑戦しています。研究のイメージ図研究室で開発された新しい高活性有機化合物26写真化学科物質機能化学機能生物化学化学教育典型元素化学構造物理化学有機生物化学錯体物性化学研究グループ

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